循環器疾患についての基礎知識をまとめてみたよ。
心疾患も高齢者に多い疾患で、OTとしても患者さんや利用者さんと関わることが多いはず。
それぞれの循環器疾患の特徴や症状をしっかり学んでいこう。
オレンジ色のところはテストに出やすくて、とても大事なところ。
赤のフィルムを当てて問題を解いてみよう。
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目次
冠動脈
心筋に酸素を運ぶ動脈血が通る血管である。
3本の血管があり、3本で酸素と栄養を届ける役割がある。
・(左回旋枝)→左側壁〔後壁〕を栄養。
・(左前下行枝)→前壁〔心尖部〕を栄養。
・(右冠動脈)→下壁を栄養
心筋虚血とは
「冠血流量が心筋酸素需要量に満たなくなった状態をいう。」
(心臓の筋肉が欲しがっている酸素の量が満たなくなった状態)
虚血性心疾患
「冠動脈のアテローム変化(動脈硬化)によるその内腔の狭窄を基礎原因として心筋虚血を生じる疾患群(狭心症、心筋梗塞)の総称。」
冠動脈の(動脈硬化)が進み、血管が次第に狭くなると血液が十分送られない。
↓
心筋の酸素需要と供給のバランスが崩れて(酸素不足)の状態に陥る。
↓
(虚血)が高度になると(心筋壊死)が生じる。
≪虚血性心疾患の疫学≫
・2000年 日本では心疾患による死亡数は約15万人で全死亡の15.3%(死亡率第2位)
・急性心筋梗塞は死亡率が高く、緊急を要する疾患である。
・虚血性心疾患は男性に多い。とくに急性心筋梗塞の発症は働き盛りの男性に多い。
・患者の病態像としては高齢化を反映し、既往歴も冠危険因子だけでなく、中枢性神経疾患、骨関節疾患など運動機能面に関する問題も有していることが多い。
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心筋梗塞
「冠動脈が閉塞することで心筋が高度の虚血状態に陥り、壊死が生じた病態。」
≪症状≫
・随伴症状として呼吸困難、意識障害、冷汗や悪心・嘔吐などを伴うこともある。
・胸痛の部位は前胸部、胸骨下が多い。
・高齢者や糖尿病患者では無症状のこともある。
・発症して2時間くらいは心室細動など致死的不整脈が多く出現し、生命の危険性が高い。
≪診断≫
- 症状:「ウッ!」と苦しんでいる状態
- 心電図上で特徴な所見:(ST上昇)、異常Q波、冠性T波の出現
- 血液性化学検査の所見:(心筋逸脱酵素)値の上昇(CPK、CK-MB、ミオゾロビン、白血球、CRP、心筋トロポニンT、トロポニンIなど)
狭心症
「冠動脈が閉塞することで心筋が虚血になっても一過性であり、壊死に陥らなかった病態。」
≪狭心症の誘発因子を労作との関係で見る分類≫
・(労作性狭心症)…運動や精神ストレスなどで生じる狭心症
・(安静狭心症)〔自発狭心症〕…安静時に生じる狭心症
・(異型狭心症)…安静狭心症の中で夜中から明け方に生じ、心電図上ST上昇を伴う狭心症。発作は冠攣縮により生じると考えられている。
≪臨床的にみた症状の安定度による分類≫
・(不安定狭心症)…心筋梗塞になりやすいため特別注意のもとに管理が必要となる狭心症
・(安定狭心症)…不安定狭心症以外の狭心症
≪症状≫
・胸心痛を訴える場所は胸の中央(胸骨下)が最も多く、ついで左胸部が多い。
・胸心痛は30秒~3分くらいで消失することが多い。
≪診断≫
・心電図…(ST下降)
狭心症と心筋梗塞の違い
狭心症 |
心筋梗塞 |
||
病態 |
冠動脈が閉塞し、心筋が一時的に酸素不足となるが、壊死までいたらず、回復する。 |
血栓などで冠動脈が完全に閉塞し、その先の血流が途絶えてしまう。その結果、心筋が壊死を起こし、心臓に大きな障害が残る。 |
|
胸痛 |
安定労作性 |
不安定 |
通常30分以上持続する。 |
数分~10分以内 |
30分以内 |
||
圧迫感、絞扼感、不快感、灼熱感。 |
不安感を伴う、突然の耐えがたい強い胸痛。安静でも緩解しない。ニトログリセリンは無効。 |
||
診断 |
症状、心電図(ST下昇)、冠状動脈造影、又は核医学検査の心筋SPECT |
症状、心電図(ST上昇)、心エコー、血液検査(心筋逸脱酵素の変化) |
まとめ
心臓の解剖が分かっていないと、ピンとこないかもれないね。
心疾患は命に係わる病気だ。
動脈硬化など生活習慣に原因があるから、運動や生活の指導がOTの役割として大切になってくる。
心疾患のリハビリやリスク管理も今後勉強していきたい。
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