【関節リウマチの基礎知識②】リハビリ・治療法・発症年齢・症状について学んでいこう!

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関節リウマチのリハビリテーション方法や薬物療法、発症年齢、症状など、

基礎的なことだけどとても大切なことが多い。

勉強することも多いけど、頑張って理解して覚えよう!!

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関節リウマチの発症年齢と症状

年齢 30~50歳代、特に40歳代が最も多い。
男女比 1対4と女性に多い。
患者数 日本では約70万人といわれている。(150人に1人の割合)
要因

「遺伝的要因」と「環境的要因」が重なって起こる。

環境的要因:「感染症」・「ストレス」・「喫煙」・体に大きな負担がかかる「出産」など。

関節症状

数週間から数か月かけて徐々に痛みと腫れが起こる。痛みを感じるのは、初期には1,2箇所の関節だが、徐々に左右の同じ関節に起こってくる。

【症状が起こりやすい部位】

  • 手指のつけ根の中手指節関節(MP関節)、指先から二番目の近位指節関節(PIP関節)
  • 足指、手首、肘、膝、肩、の関節  

経過

関節痛は、改善したり悪化したりを繰り返しながら慢性化していく。
症状が進行すると、関節の骨や軟骨が破壊され関節の変形が起こる。

【変形】

  • 手指が小指側に曲がる:尺側偏位
  • 親指が外側に反りZ字状に変形する:Z型・Z字・Z変形
  • 指の第2関節の炎症により、第2関節(PIP関節)が屈曲、第1関節(DIP関節)が過伸展する:ボタン穴変形 
  • 第2関節(PIP関節)が過伸展、第1関節(DIP関節)が屈曲する:スワンネック変形
  • 足の親指が外側に曲がる外反母趾などが生じる。親指の関節が亜脱臼を起し親指の先が隣の指の下にもぐり込んでしまう。
  • 鷲爪趾(わしづめし)変形:足指全体が鷲の爪のように曲がり、指の付け根は足底の方に突き出る。
  • 動かすことができる範囲が狭くなり、膝や肘が十分に伸ばせなくなる屈曲拘縮などがみられるようになる。
  • 首の関節(環軸関節=環椎(第一頚椎)軸椎(第二頚椎))の亜脱臼(ずれた状態)が起き、後頭部が痛んだりしびれたりする。

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関節リウマチの関節以外の症状

全身症状として、疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下がみられる。

皮膚・感覚器の障害

皮下結節(リウマトイド結節) 炎症細胞による小血管障害。肘や膝、指の関節、後頭部などにしこりができることがある。痛みはなく自然消滅することが多い。
発疹・皮膚潰瘍・指趾壊疽 皮膚の血管の炎症による。
口内炎・舌炎 ビタミン不足や薬剤の影響。
胼胝(たこ) 変形した足や手が、靴などで擦れることによってできる。

造血器の障害

貧血 慢性炎症性疾患に伴う貧血、鉄分の摂取不足、胃潰瘍等の消化管からの出血による鉄欠乏性貧血など。
白血球減少、血小板減少 抗リウマチ剤などによる。

消化器の障害

胃潰瘍、胃炎 抗炎症剤などによる。
腸管アミロイドーシス アミロイドが腸管に沈着するもので、進行すると、難治性下痢や吸収不良を起こす。アミロイド=繊維状のタンパク質(水に溶けない)

関節リウマチによる全身の炎症が長い間続くと、アミロイドと呼ばれる物質が、腎臓や、心臓、神経など、身体のあちこちの臓器にたまり、それぞれの臓器の機能を障害することがあり、アミロイドーシスと呼ばれている。

呼吸器の障害

間質性肺炎 肺の線維化が起こる・・・肺が固く縮んでゆき、呼吸困難が生じる。
胸膜炎 肺に水がたまり、発熱や胸痛、咳が続く状態になる。

肺炎が起きると呼吸に悪影響を及ぼす場合がほとんどである。
肺の下部に肺線維症とよばれる影が見られることもある。肺繊維症が起きた時は肺の組織が萎縮したり硬くなったりする。

泌尿器の障害

糸球体腎炎 薬剤性腎炎が多い。
間質性腎炎 リウマチによるもの、非ステロイド性抗炎症剤などの薬剤によるもの、シェーグレン症候群によるものがある。
アミロイド腎症 腎臓にアミロイドの沈着が進行すると、蛋白尿やネフローゼ症候群を呈し、腎機能が低下する。
その他 尿路結石、膀胱炎の合併も多い。

循環器の障害

心膜炎 心臓のまわりに水が貯まる
心アミロイドーシス 心臓にアミロイドの沈着が進行すると、不整脈や心不全の原因になる。

心臓を包む膜に炎症が生じる心膜症、さらに、肺を包む膜である胸膜に炎症が生じる胸膜炎を起こすこともある。

神経系の障害

多発性単神経炎 さまざまな神経に単神経炎が起こる・・・麻痺・筋力低下・痺れ・知覚障害
環軸関節亜脱臼による痺れや頭痛 第一頚椎と第二頚椎間の関節の炎症により亜脱臼 (ずれ)が生じると、脊髄や脳の部分を圧迫し、痺れや頭痛が起こる。

眼の障害

強膜炎 血管の炎症により、角膜の充血や眼の痛みが起こる。突き刺すような激しい痛みを伴う。視力にも影響する。
*強膜は眼球全体を覆っている厚さ1mmの硬くて強い不透明の膜。
眼乾燥症状・角膜潰瘍 シェーグレン症候群による。

 

*上記の関節外症状が現れ難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う場合を「悪性関節リウマチ」という。

関連人物

関節リウマチに悩まされたことで有名な歴史上の人物は、19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスの画家、ルノワールである。

ルノワールは、晩年多発関節炎を患い、膝や手の指の関節が機能を失った。そのため、立ち上がることも、絵筆を満足に握ることもできなくなった。

しかし、彼は車椅子に座り、絵筆を絆(ばん)創(そう)膏(こう)で固定し制作を続け、すばらしい絵画を残している。

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治療とリハビリテーション

〈薬物療法〉

関節リウマチに対する薬による治療の目的は、①関節の炎症を抑え ②関節の破壊を防ぎ ③関節の働きを保ち ④痛みをとる ことである。

非ステロイド抗炎症薬 非ステロイド抗炎症薬は、炎症を抑え痛みを取る薬で、効果が出てくるのが比較的早く、速やかに痛みを和らげるのに有効。
現在も関節リウマチに対して非常によく使われているが、関節の破壊を防ぐ作用がないと考えられているため、治療の中心は次に述べる抗リウマチ薬に移ってきている。
副作用で最も多いのは、胃潰瘍、急性胃炎などの胃腸障害。
抗リウマチ薬 抗リウマチ薬は、関節リウマチによる関節の破壊を遅らせる、あるいは防ぐ薬として薬物治療の中心となる。
しかし、希に重篤な副作用が出現することがある。
副腎皮質ステロイド剤 強力で、効果が出るのも早く劇的に効くが、急に中止すると、いったん良くなっていた症状が前にも増して悪くなることがある。また、副腎不全になることもある。
副腎皮質ステロイド剤の副作用には、骨粗鬆症・動脈硬化・高脂血症などがあり、必要最小量の使用がよい。
抗サイトカイン療法やその他の新しい治療法 免疫機能で、重要な役割を果たしているものの一つに、サイトカインと呼ばれる物質があり、サイトカインにはいろいろな種類がある。
各サイトカインは、免疫機能を制御し、炎症を起こしたり、押さえたりとそれぞれの役割を持っている。
関節リウマチでは、炎症を起こすサイトカインが増えて、関節に炎症を起こすために働いるため、これらのサイトカインの働きを抑える薬が開発され、一部は欧米で関節リウマチに対して使われ、劇的な効果が報告されている。

〈外科的治療法〉

 外科的治療法の目的は、(1)関節の痛みをとる、(2)関節リウマチの活動性を押さえる、(3)関節の機能を回復する、などである。

(1)(2)の目的で行われるのは、関節リウマチによる炎症が起こる場所である滑膜を取り除いてしまう滑膜切除術。
薬でコントロールできない場合には有効であるが、関節リウマチでは多くの関節に病気がくるため、すべての関節の滑膜を除去することは大変な負担である。そのため、薬による治療を補う、あるいは補助する方法として使われる。

(3)の目的で行われる外科的治療法には、人工関節置換術、関節固定術、関節切除術、骨切り術、腱縫合術・移植術などがある。
人工関節置換術がよく行われるのは膝関節、股関節、肘関節である。

*頚椎の関節炎の対応法としては、頚椎カラーで頚を保護したり、首の骨を固定する外科的手術が必要になる。  

〈運動療法・リハビリテーション〉

関節リウマチによる痛みのために、関節を動かさないでいると、関節の動きが悪くなり固まってきたり、筋肉の力が衰えてより関節に負担がかかったりする。

関節の機能をより長く保つために主治医とよく相談の上、毎日、各関節の適切な運動をしていくことが重要である。

治療により関節の腫れが引いてからは、筋肉の力を維持する、筋力をつけていくトレーニングをすることも、関節を長持ちさせるためには重要である。

このような運動を毎日行っていくためには、規則正しい生活を行い、十分な睡眠、休息をとる必要がある。

日常生活の注意点

薬物療法、外科的治療、運動療法がうまくかみ合っていけば、通常の社会生活は可能であるが、関節に負担をかけない工夫をする。

たとえば、必要に応じて杖を使う、椅子での生活を中心にする、ベッドで寝る、買い物には車輪のついたキャリーを使う、水道の蛇口はレバーを動かすタイプにするなど、自助具、福祉用具を大いに活用する。

また、冷房で身体をあまり冷やしすぎないようにし、激しい運動や、重い物をたくさん持ち運ぶような作業は避ける。

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