【高次脳機能障害の基礎知識①】原因となる障害・疾患を学ぼう!

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高次脳機能障害の原因となる疾患や障害について、簡単だけどまとめてみた。

高次脳機能とは何か?

脳血管障害の中の脳出血,くも膜下出血,脳梗塞の特徴は?

高次脳機能障害が起こりえる脳外傷,脳炎,脳症などの基礎中の基礎をしっかり勉強していこう。

国試でも実習でも、臨床現場でも大事になるはずだよ!!

 

 

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目次

高次脳機能障害とは

 脳の高次機能が損傷されて現れる症状のことである。

◆高次脳機能とは

高次脳機能:知覚・言語・記憶・思考・学習・判断・感情・行動など。

脳の精神機能のことを高次機能という。人間の脳は、目(視覚),皮膚(触覚),鼻(嗅覚),皮膚(触覚)からの情報により、刺激を受けたり送ったりしている。そして脳はその刺激を知覚し、言葉に置きかえたり,映像にしたりして学習する。

 

◆高次脳機能障害の原因

 病気や事故なので脳が損傷される。大きく3つに分類される。
 ①脳血管障害(脳卒中)・・・脳の血管が切れたり、詰まったりすること。
 ②脳外傷・・・脳が傷つけられたり、圧迫されたりすること。
 ③脳炎、脳症・・・脳が炎症を起こしたり、酸素不足になること。

 

◇脳血管障害

脳の血管(動脈)が破れて出血する「脳出血」,「くも膜下出血」がある。そして、血管が詰まりその先の血管に血液が流れなくなって脳細胞が死んでしまう「脳梗塞」がある。

①脳出血

脳の中の動脈が高血圧,加齢によってもろくなったために、脳の血管が破れ出血が起こり、脳細胞が壊死する。「視床出血」,「小脳出血」,「皮質下出血」,「皮殻出血」,「脳幹出血」などがある。

  • 皮殻出血:片麻痺、感覚障害、半側空間無視、半側身体失認など
  • 視床出血:記憶障害、片麻痺、失語様症状、半側空間無視、無欲など
  • 皮質下出血:失語など
  • 小脳出血:運動失調など
  • 脳幹出血:四肢麻痺、感覚障害など

②くも膜下出血

脳は三層の膜によって囲まれており、その膜の中の一つであるくも膜の下の空間に出血が起こり、脳細胞が壊死する。

③脳梗塞

脳の血管が詰まり、その先の血管に血液が流れず、脳の栄養,酸素が不足し、脳細胞の壊死が起こる。

  • ラクナ梗塞:脳の細い血管壁が高血圧によって厚くなったり壊死を起こすことで、血管の内腔が狭くなりそこに血栓が詰まって起こる。
  • アテローム血栓性脳梗塞:脳の太い血管壁にコレステロールが溜まることで、血管の内腔が狭くなり、そこに血栓が形成されて起こる。
  • 心房性脳梗塞:心房細動などの心臓病により心臓内にできた血栓が脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせる。

 

 

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◇脳外傷

頭をぶつけたことで脳に損傷を受けた場合を脳外傷という。事故により、脳に衝撃が加わり脳内部にずれが起こったり、脳内出血を起こしたり、圧力がかかったりして脳が損傷される。外傷による脳の損傷は、脳卒中のように脳の一部や領域が障害されるのではなく、広くまんべんなく障害されることが多い。

 

◇脳炎・脳症

ウィルスが原因で脳に炎症が起きたために、脳が損傷され脳炎になることがある。急な発熱,頭痛,吐き気,意識障害が起き、痙攣の発作や行動異常が現れることもある。心筋梗塞後や発作後、または水の事故後の心停止により、脳症の一つである低酸素脳症になることがある。

ヘルペス脳炎・ウィルス脳炎

多くは記憶障害や失語症などの症状が現れる。視力には問題がなくても、視野障害が現れたり、物の見え方(失認症)が変わることがある。

低酸素脳症

身体障害(失調・筋緊張異常・振戦・ミオクローヌスなど)や様々な症状(記憶・注意・視覚認知障害・失語・失行・前頭葉症状など)が現れることがある。脳に酸素がどのくらいの時間が不足したかによって症状は異なる。

 

【参考文献】

  • 中島 恵子:「理解できる 高次脳機能障害」 三輪書店 2009.
  • 社団法人 日本作業療法士協会:作業療法全書「改定第2版」 第8巻 作業治療学5「高次神経障害」 協同医書出版社 1999.

 

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